おはようございます、久々にミニ四駆作りしてました ザキヤマです。


先日、「スタートアップカンファレンス2015 Supported by STARTUP SCHOOL」というイベントに、少しだけ参加させて頂きました。

学生・スタートアップ関係者向けのイベントだったので、学生が多く集まっていたのですが、VCや起業家達がが一同に集うイベントとあって会場の慶應大学日吉キャンパスは熱気で溢れかえっておりました。


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本日は、同カンファレンス内で「スタートアップストーリー」と題された、佐俣アンリ氏がモデレーターを務めたトークセッションのレポートをお送りしたいと思います。


■トークセッション「スタートアップストーリー」
登壇者は以下の通り。

-面白法人カヤック 代表取締役 柳澤 大輔氏
-クラウドワークス 代表取締役 吉田 浩一郎氏
-コーチ・ユナイテッド 代表取締役 有安 伸宏 氏
-ANRI General Partner 佐俣 アンリ氏(モデレーター)


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<トークセッション>

「独立した人で後悔したという人にあまり会ったことはない」

-起業のきっかけは?

■有安氏
学生の頃、起業した。会社起こしたいというモヤーっとした気持ちがありました。大学1年の時にシリコンバレーから人がくるという会ってみない?と先輩から連絡があった。そのイベントで、現ユナイテッドの金子陽三さん(大学の先輩)と意気投合。その後、起業(当時19歳)。ベンチャーを支援するベンチャーを作りたい。インキュベーター、アクセラレーター的な。ベンチャーの支援したいという思いから、起業した。


■柳澤氏
面接をすると将来どんな夢があるのか?という質問をすると、2つのタイプがいる。⇒「こういうことをしたい」⇒事に向かってる人、「こういう人間になりたい」⇒人に向かってる人。両輪揃うと会社が良くなる。

「ベンチャーやりたい」などといった、起業したい思いはなかった。面白い人になりたいと思ってた。その中でたまたま仲間がいて、一緒に「何をするか」ではなく「誰とするか」にこだわった。面白い会社を作ったら、世の中的にも多様性があって面白いのではないか。それがスタート。(大学生の時)

「面白く生きたい。」ということ。それを考えると、自分たちでやれば面白いんじゃないか。独立するしないはどちらでもいいが、独立した人で後悔したという人にあまり会ったことはない。失敗する人もいっぱいいるけど、すごく良い経験になってる人が多い。自分で主体性を持って何かをするというのが一番楽しい。

会社を”面白法人”にしたのも、そういうこと。面白がるためには「この会社は自分が作ってる」という仕組みの会社にしたい。だから、独立も推奨している。

-面白くしようと初めにどういうことしたのか
まず、面白法人(キャッチコピー)というワードを作った。言葉ありき。そこが普通と違うところ。理念とかが先ではなく、ワード。


■吉田氏
-学生起業ですか?
もともと、劇団で食べてきた。上京した理由も劇団をやるため。

社会に出るつもりなんて、さらさらなかった。大学に寝泊まりしてコンビニの廃棄もらって生活していたが、劇団をやってる中で、契約書にミスがあって、講演が中止になり演者から怒られた。「契約書を軽んじるとこんなことになるんだ」と200万くらい借金背負った。

契約とお金のこと知らないんだ、知らないとこういうことになるんだ。そこから就活して面接だけで受かる会社をとにかく就活した。その後、パイオニアに入社。

-起業を志している人への言葉
自分で世界観を創っていけるのが起業の醍醐味。



「想いが強くないとキツイ。能力ではない。」

-会社の始まりについて(最初何やったのか)

■有安氏
「アイデアを思いついて⇒HPつくって⇒広告回す」そうした実験を繰り返してたら、月の売上100万くらいになった。そこで1人オペレーションの人を雇って、会社作った。

当時、LLPとLLCが施行された年で、良いということからLLPを作ったりした。結果として、名刺に有限責任事業組合と書いてあると怪しまれるということに気付く。「何で株式会社じゃないんですか」というところの説明が必要。株式会社でないと信用されないというところで、会社作った。

よく、ウチにも「起業したい」という人、特に学生がくる。その想い自体は良いと思うし、僕も高校の時そうだった。会社作るのは誰でも出来る。やっぱり、やりたいことありき。それが「株式会社としてずっとやり続けられる。」ということがあった方が良い。起業自体はあくまで手段。

やりたいことがある人はすごく少ない。全く無いのに無理して会社起こしても無理がくるケースがよくある。もしやりたいことが無いのであれば、やりたいテーマを持った人にくっついていくなど、色んな選択肢があっても良い。


■柳澤氏
-やりたいことはすぐ決まったのか
やりたいことの種類はいっぱいあった。想いが強くないとキツイ。能力ではない。確実に。想いの強い人がやるべき。やりたいことが必ずしも事業じゃなくてもいいと思う。こういう会社を作りたいというところから、事業が変わっても良い。

会社の形態でいうと合資会社から入った。LLPもつくった。目的と組織形態。起業する時に株式会社にすることの意味をあまり理解しないで、立ち上げてる人も多い、株式会社にする必要もない場合もある。そういう仕組みのものに会社が変わってる、想いとズレているというのはある。


■吉田氏
-2社目の起業?
クラウドワークスは2回目の起業。1回目の起業の時は何やれば良いのかわからなかった。

もともとプログラミングが出来るわけでもないし、自分でモノが作れない。そうなると結局、受託とかコンサルしか出来ることがない。

最初はお金が減ってくのが怖いが、だんだんお金を稼いでいるうちに事業の数が増えた。何がやりたかったのかよくわからなくなった。それが1回目の起業。上海でワインビジネスやったり、ベトナムで日本のアパレルを輸出したり色んなことやった。ベトナムのアパレルで1億くらい赤字を出した時に、当時の取締役が取引先を持って独立をするということがあった。それで一回目の起業はダメになった。


「お金のことを勉強することは大事。」

-吉田氏が国を作ろうとした話

吉田氏
「マレーシアで10億くらいの土地が売りに出てた」

「今、国って結構出来ている。2001年に南スーダンとか出来ている。この50年で20個くらい国が出来てる。ラオスとかシンガポールは出来て60年くらい。みなさんが生きている間に新しい国が出来てもおかしくない」

「(ドリコムの役員として上場した後に1度目の起業をして)ベンチャーやって上場したんだから、次は国だろ。と思ってマレーシアに行った。」


佐俣氏
「僕、それすごく起業家っぽいエピソードだなと思ってる。ルールをちゃんと確認するっていうのが良いと思ってて、僕は26でVCの経験がなくてVC作ったんですけど、まずルールを調べた。出来るのか出来ないのか考えると、VCをやれなくすることは出来ないんですよ。基本的に」

「いくつか条件があって、2つくらいクリアして、国の特殊な役所に行って届出を出してハンコ押されて成立する。これ、意外と皆知らなくて、VC誰も作れないと思ってるが意外と簡単。これ、国と同じだと思う。」


吉田氏
「ルールを調べるやり方ってまだまだ色々ある。私は出資の意味がわからなかった。よくわかんないので出資はやらない。ということで3年間自分のお金でやってた。でも、自分で稼いだお金で再投資とか借りたお金で投資をするっていうのは、事業のペースが速まらない。後に、自分の株式を出して調達をして、このお金で事業を成功させるんだ。と思った。自分のお金や借りたお金でやったからこそ、出資を受けて金融の意味を知った。」


佐俣氏
「起業したい人は、とりあえず株式会社のルールを調べると良いのではないか。そもそも会社ってなんだろう?というのがよくわかる。」


吉田氏
「上場して思うのは、あらためて、お金のことはすごい勉強した方が良いなと思った。あとは、借りれるなら借りた方が良い。借りるということは、なかなか出来ることじゃない。」

「世の中の仕組みを知らないと、マザーズの市場でクラウドワークスの株を買ってもらって、東証の中で新興市場を買ってもらって、世の中に沢山証券市場があるのに投資を選んでて、債権があって、コモディティがあって、そういう色んな金融商品がある中でクラウドワークスの株を買っている機関投資家の気持ちがわからなくなってしまう」

「お金のことを勉強することは大事。株やった方が良い。」



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「自分のお金を痛めたことがある人の方が、VCの出資を受けたお金を上手く使えると思ってる。」

-学生の頃やっといた方が良かったなと思うこと

■有安氏
「後悔してるのは、海外放浪をやってないこと。途上国とかアフリカとか。今になると立場があるので、迷惑がかかるから出来ないが、学生時代だったら出来ちゃう」

「他は色々やりたいこと出来た。株式クラブみたいなのも主催してる大学院生に仲間に入れてもらって、一人10万づつくらい出し合って色々買ったりしました。それを通して、資本主義ってキツイなと思った。授業とかバーチャルなものではなく、そういった生の経験てすごく良い。」


■吉田氏
「自分のお金を痛めたことがある人の方が、VCの出資を受けたお金を上手く使えると思ってる。最近よくある若い人の例として、例えば3000万の投資を受けたとして、投資を受けたけどほとんど使っちゃいました。というところから相談くる。みたいな感じのことがある。3000万円てお金って、売上2億作って稼ぐ金額だとして、それだけ掛かって作るお金を投資頂いてるというのが最初はわからないことがよくある。」

「そういった意味だと、自分のお金で投資してみてわかること、自分のお金で商売して儲かったり損したりする経験は、対投資家に対しての経験として大事。」

「1回目の起業でほとんど何も生み出せなかったんですが、お金だけは貯金で結構作った。それで資本金も伸ばせた。それは投資家から明確な信頼関係に成った。事業は何も作れなかったけど、「こいつはテーマさえあれば事業を伸ばせるヤツだ。」という評価にはつながった。結果的に上手くはいかなかったけれど、自分のお金で商売したことは自信になった。」


<学生からの質問タイム>

「起業するにあたって読んでおけばよかった本、オススメの本は?」

■柳澤氏
「本というのは出会うべくして出会う。本を読むスタイルは人それぞれ、1つを何度も読み続ける人もいれば、乱読する人もいる。その時読んで何を感じるかは、その時によって違う。だから、読んでおけば良かった本は特に無いです。(場内笑い)」

あえて言うなら・・・
 
「影響力の武器」
心理学に長けている経営者は強い。心理学的な本は読んでおいた方が良い。


■吉田氏
「斎藤一人の絶対成功する千回の法則」
すごくポジティブ。事業をやってる人は前向きな考え方が必要。日本人は褒めるのが下手。褒め合う文化がない。脳内を褒めるというもので満たすというのがやりにくい人達。

この本は苦しい時に読んで楽になる。楽しくなくても良い、思ってなくても良い、言葉を言うことによって自分の脳とか行動が変わる。


■佐俣氏
「ビットバレーの鼓動」
学生の頃のミクシィの笠原さん、当時25くらいのサイバー藤田さん、ヤフーの小澤さんなどのインタビュー。


■有安氏
「あんま本読まない方が良い。(会場笑い)起業準備だったら、本を読んでる暇あったら、仮説持ってユーザーとかお客さんと会って話した方が良い。僕も学生時代はすごく本読んだ。その理由って、たぶん恐怖からくるもの。自分の知識やスキルが足りないから本読んでたが、起業にはあまり必要ないと思う。本から得るものってHOWだと思う。わからないことがあった時に調べるのは良いが、本を読んで自分を変えようとしようとするのは、意味ない。」

あえて言うなら・・・

「リーンスタートアップ」
起業における仮説検証が書かれている本。体系化されている。


(有安氏のところで)柳澤氏 「麻雀も実践で覚える。でも、ある時戦術の本を読んでみると、急にグッと強くなる。基本、実践でやりながら、途中で学術的なことを補強することで伸びる世界がある。本ばっか読んでも強くならないし、両方やることが最終的には強くなる。どこが最終か というのはあるが。」


「起業のタイミングは?起業で大事な要素は何ですか?」

■吉田氏
起業したいと思うんだったら、明日とか明後日とかに起業する。人間は怠け者なので、自分を寒い状況に追い込んでみるのも必要。退路を断つこと。


■柳澤氏
タイミングは特にない。起業家という職業は早ければ早い方が良い。ネタを探してるっていう人は起業しない。


「影響を受けた明言・格言は?」

■吉田氏
「志ある者は事ついに成る」
その言葉だけを手掛かりに、自分に言い聞かせてきた。


■佐俣氏
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
リクルートの旧社訓。

「自分の墓標に何て書かれたいのか」
七つの習慣という本に書いてある言葉。自分の人生のゴールをなんとなく理解するのに良い。


■柳澤氏
言葉を作る・生み出していく方にエネルギーを注いでいるので、特にない。

ただ、シンプルだけど魔法の言葉だなと思うのは「ありがとう」。「ありがとう」は、すごい力のある言葉。



<学生に向けたメッセージ>
■有安氏
「人生一回きりなので、思いっきり好きなことをやるべき。人生を一番つまらなくする方法の一つとして、親の価値観の通りに生きること。親が反対するとかは、良いシグナルだと思うくらいがいい。」

■柳澤氏
「起業が優先ではなく、中途半端に起業するくらいだったら、勉強した方が良い。僕は先の未来はほとんど考えていない。何やりたいかも決まってない。とにかく一生懸命やるということしか考えてない。それでも楽しめます。」

■吉田氏
「とにかく今を生きる。今この瞬間にどれだけ納得いく仲間と納得いく仕事を出来ているかが非常に重要な時代。過去とか未来に縛られず今やりたいことをどれだけ一生懸命できるかどうか。今を一生懸命生きてください。」


以上になります。
経験を元にした非常に熱いメッセージばかりが聞けた大変貴重なトークセッションでした。

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