朝夕冷え込む季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
おはようございます、寒くてもアイスが止まりません ザキヤマです。


今年も残すところ2ヵ月を切りました。一年経つのは早いですね。今年自分は成長することが出来たのだろうか?なんて振り返る時期でもありますが、自分自身を振り返る前に、主要ネット広告代理店の7-9月決算を振り返りたいと思います。

いつも通り、アイレップ、オプト、サイバーエージェント、セプテーニの4社の比較です。”主要ネット広告代理店”といっても、ご存知の通り既にネット広告以外の事業も数多くありますので、そのあたりも合わせて比較しておりますので、その点考慮して見て頂ければと思います。


■各社の売上高/営業利益/営業利益率(2014年7-9月)
2014年7_9月大手ネット代理店決算まとめ
2014年7-9月大手ネット広告代理店決算1
(単位:千円)

サイバーエージェントは事業も多岐に渡るので、売上高/営業利益は高い結果となっております。各社、数字の上下など動きがあった模様です。そのあたり各社レビューにて振り返りたいと思います。


各社レビュー(QonQなど)

■アイレップ
主な事業の数字
2014年7_9月アイレップ決算
2014年7-9月アイレップ決算1
(単位:千円)
※通期資料が累計のみだったため、(1Q+2Q+3Q)-4Qで算出
出展:

<7-9月>
売上高:13,181,000千円(前四半期対比+582,000円)
営業利益:103,000千円(同+145,000円)
営業利益率:0.78%

<4-6月>
売上高:12,599,000千円
営業利益:▲42,000千円
営業利益率:-


通期の決算発表となったアイレップ。ということで、以下、通期の数字で振り返りたいと思います。

全体として、通期の売上高で536億1500万円(前年同期比+13.1%)と成長したが、主に売上高成長率に応じて決まる広告仕入条件が当初の想定を下回たことによる、売上総利益率の低下、広告代理領域の採用強化、スマホアプリプロモーションやソリューション等の新領域への人材強化、その他投資により販売管理費が増加し、営業利益が5億1200万と、前年同期比で46.0%のマイナスとなった。

ただ、運用型広告市場では、引き続きシェアが大きい状況なのと、ソリューション領域も着実の伸びているので、利益率の改善が急務といった感じだろうか。

新規の動きとしては、スマホ特化のネクストフィールドや海外子会社といった新規立上げなどもあり、現在は投資フェーズだが、こちらも2015年の決算にどの程度数値的なインパクトをもたらすのかが楽しみなポイントである。


■オプト
主な事業の数字
2014年7_9月オプト決算
2014年7-9月オプト決算1
(単位:千円)

<7-9月>
売上高:16,145,000千円(前四半期対比+987,000円)
営業利益:120,000千円(同+243,000円)
営業利益率:0.74%

<4-6月>
売上高:15,158,000千円
営業利益:▲123,000千円
営業利益率:-


苦しい結果となった2Qから比べ、3Qに関しては営業利益ベースで黒字化に転じた。
ザックリ振り返ると、売上微増で営利の大幅改善となった。要因としては全体の9割を占める、広告・ソリューション事業の改善が大きい。その他、海外事業の赤字圧縮も寄与した。

売上に関しては、広告事業で微増(QonQで+6.1%)、海外事業(同+20.7%)で伸長した。その他各プロダクトは前Q比でほぼ横ばい。メインの広告事業は6月以降好調のようで、ナショナルクライアント等、大型クライアントの獲得が多数あった模様。それに加え、プライベートブランド商品の比率が上がっており、利益率の改善にに大きく寄与した。PB商品の強化はオプトが最注力している点でもあると思うので、この数字改善は社としても良い傾向にあるのではないでしょうか。

今後は、PB領域体制を拡充していくとのことで、連結人員の約25%にあたる400人体制を構築するとのことで、引き続き注視したいと思う。

その他、継続的に利益を生んでいたデータベース事業に関しては、Xrost DSPの機能追加への投資もあり、営業損失1700万と赤字となったほか、投資育成事業およびM&A関連における、投資チェック専門部隊の設置と外部顧問の招聘がトピックスとして挙げられる。


■サイバーエージェント
主な事業の数字
2014年7_9月サイバーエージェント決算
2014年7-9月サイバーエージェント決算1
(単位:千円)

<7-9月>
売上高:57,700,000千円(前四半期対比+6,410,000円)
営業利益:7,340,000千円(同3,280,000円)
営業利益率:12.72%

<4-6月>
売上高:51,290,000千円
営業利益:4,060,000千円
営業利益率:7.92%


広告事業は、4Qでの売上が305億円と四半期としては初の売上300億円超え。要因としては、スマホ領域で前四半期対比+25億円の売上増が寄与。アドテク事業も61億円と大きく伸長した。年間通しても、売上1,127億円・営利88億円と順調さが伺える。

ゲーム事業は、国内のネイティブが引き続き好調。3Qは利益が落ち込んだが4Qに関しては、営利30.3億(3Qは16.5億円)と大きく改善。「戦国炎舞-KIZUNA-」「グランブルーファンタジー」あたりが好調とのこと。

Ameba事業は、売上が107億円と前四半期対比+11億円で着地。3Qに2億円だった営利ですが、4Qに関しては15.2億円と伸長、9月単体の営利としては7.2億円を記録した。前回の決算発表で発表された「Ameba構造改革」が今後、どんな展開をし数字反映してくるのか楽しみなところ。

なお、今回は投資育成部門での利益が計上されるため、営業利益として26.6億円が乗っている。※先日あったDaumの株売却については来期に計上予定(約42億円)。

事業の柱が多く着実に伸ばしており、盤石といったところだろうか。そうした既存の3本柱(広告/ゲーム/Ameba)に次ぐ事業が育ってくるのが楽しみなところですが、エイベックスとの提携に沸くエンターテインメントやコミュニティ分野での次の一手に注目したい。


■セプテーニ
主な事業の数字
2014年7_9月セプテーニ決算
2014年7-9月セプテーニ決算1
(単位:千円)

<7-9月>
売上高:13,985,000千円(前四半期対比+405,000円)
営業利益:555,000千円(同+145,000円)
営業利益率:3.97%

<4-6月>
売上高:13,580,000千円
営業利益:410,000千円
営業利益率:3.02%


売上高・営業利益ともに4Qとして過去最高を記録。
ネットマーケ事業は、売上高125億3800万円で全体売上の約90%を占める結果で、3Q対比で約5億円の増収。営業利益は、7億900万円と3Q対比で1億5500万円の増益と躍進。

各プロダクト(スマホ、ソーシャル、海外)が着実に伸長。セプテーニが得意としているソーシャル領域は売上高16億5800万円で前年同期比で2倍となった。Twitterの広告APIパートナーに加えモバイルメジャメントパートナーにも認定されたとのことで、広告取扱高も大きく拡大した模様。Facebookに関しては海外顧客の利用も伸長した。また、スマホ領域では、ファッションアプリ「iQON」におけるネイティブ広告の開発・先行販売をセプテーニが獲得、こうした提携周りも要注目。

海外はロンドン、ソウル、シンガポール、サンフランシスコで展開。こちらも順調に成長を続けている様子。

メディアコンテンツ事業は、ゲームにおける新規タイトル投入がなかったため減収とはなったが、既存タイトルが堅調に推移し、アクセルマークにて100万円(3Qは1300万円の営業損失)の営業利益。マンガコンテンツ事業「GANMA!」は、引き続き、先行開発投資の影響で7-9月として9200万円の営業損失。


以上、7-9月の決算まとめでございます。
4-6月は時期要因もあってか、厳しい数字となった会社もありましたが、投資が実り出してきた領域、既存領域のテコ入れなど、各社明るい話題も多かったように思えます。2014年も残すところあと2ヵ月をきりました。ラストスパートの仕込みもそろそろ決まり出す頃でしょうか。また10-12月決算の出揃う来年1月にお会いしましょう。

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